サザエさん「課税」、両さん「非課税」

2013-06-14

サザエさん一家の銅像に固定資産税 58万9,200円

 

東京都世田谷区にあるサザエさんの銅像に対して固定資産税がかかるという事で
地元商店街振興組合は「銅像に税金がかかるなんて思わなかった。」と困惑している、
というニュースが出ていました。

平成25年度の固定資産税は58万円9,200円で今後45年で約980万円を納付
する見込みといいます。

一方、東京都葛飾区にある「こち亀像」「キャプテン翼像」や鳥取県境市の「鬼太郎像」には
税金がかからない(非課税)といいます。

 

サザエさんは課税?両さんは非課税

この差は何なのでしょうか?

 

まず、「固定資産税」について説明致します。

そもそも「土地や建物は固定資産税、車は自動車税はわかるけど銅像に税金ってかかるの?」

ごもっともだと思います。

御自身で事業をされている方であればおわかりかと思いますが、事業をする際に使用する機械や看板、備品等にも 税金(固定資産税の一種で「償却資産税」といいます。)がかかっています。

償却資産は長年使用すると価値が減少するためその分税金も安くなります。
(税金は課税標準額(資産の価値のようなもの)の1.4%)
毎年1月1日現在所有している償却資産が何かを市区町村に申告し、4から5月頃土地建物と同時に 償却資産税が幾らであるかの通知がきて納税していただく事になります。

※ 竹下税理士事務所では償却資産税の申告を無料でお受け致します。

「銅像にも税金がかかるのは何となくわかったけど、サザエさんにはあって両さんの違いって?よくわからない。。」

 

サザエさんとは…
両さんとは…

 

(割愛致します。)
答えは、「像の所有者、所有目的」が違うという事です
サザエさんは「地元商店街」
両さんは「神社」
キャプ翼・鬼太郎は「自治体」

 

少し見えてきました。

 

キャプ翼、鬼太郎の像を所有する自治体は「公共法人」といい
文字通り「公」の仕事をするという事で税金がかかりません。
神社は「宗教法人」で収益事業(例えば駐車場貸)には税金がかかります。
今回、こち亀像については「収益性がないという事で税金はかからない。」との事でした。
問題のサザエさんですが、
所有者が商店街で「協同組合」に該当します。(農協等と同じくくりです。)
税金の優遇はあるのですが、税金がかからないという事はありません。
広告宣伝目的があるとして税金の対象となってしまいました。


 
「公共性のある美術品」であると認められれば税金が非課税・減税になるようです。
個人的には サザエさん生誕65年を記念し作者 長谷川町子さんが住んでいた地で
後世に伝えていこう、町を盛り上げていこうと製作されたものを通常の看板と同じ扱いを受けるのは あんまりだな、と思います。

波平の毛の修復作業も大変だと聞いています。

課税されるのを想定されていなかったという事ですから

 

決算で  減価償却 / サザエ
     減価償却 / 波平

 

とはしなかったのでしょう。(公共性のある美術品となれば価値が減少しません。)

固定資産税がかかると法人税も変わるような気がしますが。。

 

 

「サザエさんを守れ」と地元住民が基金を立ち上げる動きがあるようです。
また、7月1日までに寄付すれば税金がかからないとか(1月1日現在では所有しているんですが。)

サザエさん像の今後に注目していきたいと思います。

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